こんにちは

今日は仕事の前に六本木にある

国立新美術館に立ち寄ってきました。

今日から10日間にわたり独立書展が

開催され今日はその初日です。

日頃お世話になっている先生の

書が展示されているので

早速行ってきました。

千代田線の乃木坂で降りると

会場までは直結なので非常に

便利です。

毎回、先生から感想を求められるので

自分なりに感じたことを

お伝えします。

勿論、書の専門的なことではなく

感覚としてのものです。

出品された書は良寛和尚の辞世の句と

言われている歌

「散る桜 残る桜も散る桜」

と書かれたものが

大きな額に収まっていました。

全体に繊細でありながら中に

キリリとしたものを感じました。

これまでは大胆な力強い文字で

書かれたものが多かっただけに

意外でした。

句を何度も口にするうちに

自分なりに感じたことがあります。

繊細で美しい桜が散っていく

そして

今尚咲いている桜もやがては散っていく

繊細な美しさとはかなさ

そして覚悟

無常観

といったところでしょうか。

そういった思いが書を通して

表現されているような気がしました。

どう感じるかは人それぞれですが

私はそんな風に感じました。

いつもなら見に行った日

後からメールで感想を一言お伝えし

後日お会いした時に

お話しするのですが、今日は

状況が違っていました。

会場のエレベータで2Fに上がり

ドアが開いたところで偶然にも

すでに見終えた先生の一行と

バッタリ出会ったのです。

一言、二言挨拶をし、私はそのまま

作品が展示されている部屋に向かいました。

すると後から先生がいらしたのです。

感想が気になったのでしょうか。

そこで一言

「繊細な中にもキリリとした感じが

伝わってきました」とお伝えしました。

少し時間をおいてからなら

もっと気の利いた言葉が出てくる

でしょうが

咄嗟に感じた事でした。

その後、メールで改めて

丁寧に感想をお伝えしました。

その後、返事が来てそこには

「独立展は試練です。

日にちが近づくと出来具合や

存在感の恐怖が日に日に増してきます」

といったことが書かれていました。

書道一筋

半世紀以上にわたって書き続け

文部科学大臣賞まで取った方でも

いまだその恐怖と戦っているのかと

知って奥の深さを感じました。

書道と話し方には

表現する上で呼吸法や間・抑揚といった

音声表現と共通するところが

たくさんあります。

書で表現されたものの感想を

言葉で表現することはとても

むづかしいことです。

でもそれも勉強

いい刺激になります。

「表現力が豊かになれば人生又楽し」

というところかもしれません。


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