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こんにちは。
午後一番にKさんが見えました。
近々改まった場で主催者として挨拶するためです。
挨拶の内容そのものは覚えていて言えるのですが
全体に一本調子なのです。
一つには
声の出し方、口の開け方
メリハリに欠ける等
そこで今日は
最初に滑舌練習から入っていきました。
口も油断すると開いてないので
言葉がはっきりしません。
先ず口を開けるように何度も言いました。
発声練習の後、当日の挨拶を
原稿を見ながら出来るだけ速く読み上げる
練習をしました。
例えば3分かかる物であれば
その半分以内で言えるようにするのです。
初めのうちは勿論時間がかかりますが
繰り返していくうちにだんだん速く言えるようになり
何回目かで
持ち時間の半分以内で言えるようになりました。
初めは無理と思っていた事が出来ると
”やれば出来る!”という事に気づいて
挑戦意欲が出てきます。
気づけば呼吸が深くなり、長いセンテンスも
一気に言えるようになる為、速くなるのです。
声に出して繰り返すことで自然と
口が動いてくれます。
頭の中だけで丸暗記をしても
声に出していないと
口を動かしていないと
出てこないものです。
暗記したものは一つ間違えると
次が出てきません。
頭の中が真っ白になるというのは
こういう事です。
ところが声に出すことで
口を動かすことで
自然と言葉が出てくるようになります。
Kさんが速く言えるようになったので
今度はそれを出来る限り大きな声で
言ってもらいました。
随分と声が出るようになりました。
そこで
最後に原稿を見ずに普通のテンポで
話してもらったところ
声が大きくなり言葉もハッキリして
最後まで話す事が出来ました。
半分に縮めたものを元に戻すわけですから
ゆとりがあり言葉もでてきます。
落ち着いて話ができ堂々と見えます。
最後までうまくいったと思ったら
締めくくりで失敗。
慌ててしまい言いながらお辞儀をしたのです。
「ありがとうございました」と言ってから
お辞儀です。
これがまずいと台無しです。
「終わりよければすべてよし」
と言う言葉があるように
最後はとても大事です。
簡単なようで難しいのが
この挨拶言葉とお辞儀のタイミングです。
最初の「皆様 こんにちは」にしてもそうです。
ほとんどの人は「間」がない為
ひいてはそれが
あがりにもつながってしまいます。
挨拶言葉とお辞儀は別です。
ほとんどの人がこれを同時に
やってしまうのでせかせか見えてしまうのです。
言葉で説明を聞く分には実に簡単に思えます。
しかし実際にやってみるとこれがなかなか
難しくてすぐにはできないものです。
現にKさんも最初と最後が難しいので
出来たらこれを省きたいと言われたのですが
それでは聞き手に対して気持ちが伝わりません。
「折角レッスンにいらしたのですから
これを身につけることで必ず自信に
なりますからクリアしてください」
その言葉に押され繰り返し練習した結果
これも「間」を取ることでうまくできるように
なりました。
ここまで出来たら一安心ですが
本番でうまくやるためには更に
練習がものを言います。
始めた当初は
「苦手なんです」「できない」「無理ですよ」
と話す事に関して否定的な言葉が多かったKさん
今日等は
「話してみますね」「あれ 出来た 」「やれば出来るもんですね」
ちょっと自信が出てきたようです。
そして
「これできたら随分違うでしょうね」と
Kさんはすでに前を見ているようでした。
来週はいよいよ仕上げです。
やらないからできないのであって
やれば誰でも出来るのです。
それは話し方に限らずどんなことにも
言えるのではないでしょうか。
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