こんにちは。

午後、事務仕事をしていたらインターホンが鳴ったので

宅急便でも届いたのかと思い出ると

「○○です。突然すみません」との声。

聞き覚えのある声。

ドアを開けるとTさんが立っていました。

「電話もしないで突然すみません。

レッスン中でしたらこれだけおいて

失礼しますから」と言うのです。

「大丈夫だからどうぞ」と言って中に

入ってもらいました。

Tさんは私が渋谷で教えていた頃の受講生で

ここ青山で開設してからも面接やプレゼンで

何度か見えたことがあります。

最初に出会ったのがTさんが40歳前後の頃

現在は64歳とのことで

かなりの年月が経っています。

こちらも年を取るはずです。

今日はTさんが教えている大学の

謝恩会がニューオータニで行われ、その帰りとのことでした。

彼女は保育士を目指す学生たちを

指導しています。

卒業生を送り出した後、彼女自身も

今月いっぱいでその大学を辞めます。

まだ仕事を続けたいとの思いから

昨年、別の大学の応募を見て面接を受けたところ

この春からの採用となったわけです。

面接に臨むに際し不安になったのか

突然何年ぶりかで電話がかかってきたのです。

今回、急でそちらに行けませんでしたが

「声を聞けば少しは落ち着くかと思いまして・・・」

という事でした。

かつて面接のトレーニングを受けて

これまで勤めていたところに採用されたのですから

そのことを思い出してもらい

大切なコツを伝え励まして電話を切りました。

数日後一次面接通過のメールが入り

二次面接に進むとのことでした。

ご本人は年齢がぎりぎりという事もあり

不安だったでしょうが

これまでの経験とキャリア

何よりも保育に対する情熱が相手の心を動かしたのでしょう。

採用になった旨、メールで知らせてくれました。

それは去年の出来事で忘れていましたが

最近、ふとTさんの事を思い出し

”確か4月から新しいところに移るんだな・・・”

といった事が頭の中をよぎりました。

そうしたら偶然にも今日、急な来訪となったわけです。

「もっと早く伺おうと思いながら・・・」と言いながら

せわしなく挨拶しました。

コロナが間に入り何年ぶりかといった感じです。

受講生として教室に見えていた頃から数えると

20数年たっています。

当時から幼児教育に関心が高く純粋に子供たちに接し

私から見てもこういう先生なら子供たちも

天真爛漫でいられるだろうと思ったほどです。

やがて幼児から、その子供達を指導する先生を

育てる側に回り、尚も仕事を続けたいとの思いから

年齢の壁を越え4月から別の大学で教えることになったのです。

20数年の間、何回か仕事の悩みを聞いたこともあります。

でも悩んだり辛い思いをすることは決して

無駄ではないという事を

彼女を見ていて確信しました。

40代の時よりずっといい顔になっているのです。

落ち着きと品があり、中からにじみ出る安定感がありました。

それを伝えたところ

ちょっとはにかんでいましたが

それが又、彼女の魅力だと思いました。

今度の所は3年は仕事が出来るそうなので

これからの3年間

「今」「この時」を大切にしてやっていけば

又、その先が見えてくるだろうと話しました。

「今」無くして先はないのですから。

私もそうですが人間、好きな仕事が出来るという事は

何よりも幸せな事だと思います。

64歳、まだまだ、これからも頑張ってほしいと思います。


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