こんにちは。

月が替わって今日から9月です。

気持も新たに又、一からスタートです。

 

今朝、食事をしながら見るともなしにテレビを

つけていると沖縄の台風の様子を映し出していました。

その後、焼き鳥屋さんの店が火事で全焼した

と言った事に触れていました。

現場で中継していた記者だか、リポーターが

その様子を伝えていましたが

その男性の一言に思わず

画面を見ました。

 

その男性は

「店はすっかり焼けて今も焼けた香りがします」

と言ったのです。言い直しもしませんでした。

それまではテレビを見るというよりも

何気なく音声が耳に入ってくると言った感じでした。

ですからその状況は確かではありませんが

只、「火事で今も尚、焼けた匂いがする」という所を

「香りがする」と言った事に思わず顔を上げたのです。

 

最近気になっていたのがこの「匂い」と「香り」と

言う使い方です。

最近はなんにでも「香り」で表現している傾向が

あります。

或る時、食の番組で「いい匂いがしてきました」という所を

「いい香りがしてきました」とリポートしていました。

どう見ても「匂い」の方がふさわしい場面です。

「匂い」には匂い・臭いとあり

好ましくない場合・・・臭い(くさい)と言った意味も含まれます。

      ・生ごみの臭い・靴の臭い・ガス漏れの臭い・犯罪の臭い

 

それに対し

好ましく感じるもの・趣があるもの・・・匂い

     ・焼肉屋さんの前を通ったらいい匂いがしてきた

     ・鰻のかば焼きの何とも言えない匂い

     ・新しい畳の匂いがする

 

香り・・・「匂い」と同じですが、やや洒落た感じ又その表現

     快く感じられるもの。

     ・バラの香り・フリージアの香り・石鹸の香り

      茶の香り・磯の香り・梅の香り・若葉の香り

 

このほかにも比喩的に使われる「薫り」と言うのもあります。

      ・風薫る五月・文化の薫り

 

このように違いがあります。 

先にも書いたように今や何でもかんでも「香り」で

一括りしていますが、意味を知っていれば

上手に使い分けができ

そこにあなたのセンスが光るというものです。

 

間違っても火事の焼け跡に立った時

「焼けた香りがします」なんて言う言葉は

出ないはずです。

 

日本語はとても繊細で美しい響きがあります。

ところが今や何でもかんでも

「かわいい」とか「やばい!」で

済ませている傾向があるのは何とも寂しい限りです。

 


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