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こんにちは。
3月に入ってあっという間に一週間が
過ぎてしまいました。
先週から専門学校の卒業式で在校生を代表して
送辞を読むという女性が見えていました。
声が震える
読んでいて苦しくなるという事でした。
実際に聞いてみると確かに
沈みがちな声で聞き取りにくい感じでした。
それよりも気になったのは淡々として
内容が伝わってこない事でした。
折角いい事が書かれているのに
抑揚もなく一本調子で読んでいるのです。
日にちもあまりないとのことで
毎朝、早くいらしてトレーニングを
受けられました。
声が震えるのは口元だけで
読んでいるので苦しくなってしまうのです。
要は酸欠状態になるからです。
お腹から自然に声が出せるように
先ず発声・発音のトレーニングを徹底的に
行いました。
お腹から声を出す事などしたことが
なかっただけに初めはなかなか
きつそうでした。
それでも続けるうちに少しづつ
安定した声が出せるようになってきました。
口の開け方も大事です。
明けると同時に声を出してしまうので
早口になったり、逆に語尾が消えてしまう等
言葉もハッキリしません。
又、内容に合わせて抑揚をつけるなど
声の調子を変える事で
言葉が生き生きしてきます。
毎朝、早くに見えて声出しの練習を
しっかり行いました。
同時に名前を呼ばれた時の返事の仕方や
職員や来賓へのお辞儀
壇上に上がってマイクの前に立った時の
お辞儀
式辞用紙のしまい方や置き方など
トータルで何度も練習をしました。
聞かれるだけではなく
見られているという事を忘れてはいけないと
話しました。
落ち着いた振る舞いができれば
話すのも落ち着いてくるのです。
段々と気持ちが入ってきたのか
最後の頃は
「読んでいて涙が出そうになる」と
言ったので
「卒業生が泣くのはいいけれど
あなたはぐっとこらえて
最後まで読み切ること」と言いました。
最初に見えたときは棒読みだったのが
間を取ったり気持ちを入れることで
内容が生き生きしてきたのです。
「読んでいて苦しくない?」と聞いたら
「全然。 楽です」と返ってきました。
苦しいかどうかは聞いていればわかることです。
それを敢えて聞いてみたのです。
昨日が卒業式でした。
朝、9時前に見えて本番前のリハーサルです。
普段と違って改まったスーツと靴を履くことで
どうしても緊張しがちです。
時間的ゆとりがあるという事で
当日の朝、早くに見えて通しで
仕上げをしました。
何とかいいものにしてほしいので
私も5時起きで頑張りました。
8時にはスタジオに着いていたので
予定よりも早く始めることが出来ました。
最後に、初日に録音したテープと
比べて見たら声の大きさや明瞭な発音は勿論の事
何よりも気持ちのこもった送辞になっていました。
トレーニング前の録音はあまりに
早口で抑揚がないことに
ご本人が一番驚いていました。
自信をもって送辞の言葉を
贈るよう伝えて送り出しました。
夕方、彼女から電話が入り
「無事に終わりました。
卒業生が涙ぐんでいました。
みんなから良かったと言われて
ホッとしています。
休みに入ったら又、ご報告に行きます。
ありがとうございました」
と言って弾んだ声で電話を切りました。
何よりもうれしい報告でした。
気持ちを入れて話すという事が
如何に大切か。
でもそれができれば
相手の心に響くはずです。
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