こんにちは。

仕事机の上に立てかけてある

オレンジ色の厚いノートを何気なく

手に取りました。

開いてみると

その時々の思いや、読んだ本の中から

抜粋した印象に残る言葉などが

書き移されていました。

しかし、びっしり書き込まれているものの

殆ど目を通す事もなく過ごしてきました。

読み返していると

ノートの間から新聞の切り抜きが

出てきました。

見ると2019年5月18日の

朝日新聞「惜別」という中に

その年の3月に亡くなられた

生活評論家の吉沢久子さんの記事が

載っていました。

当時その記事を読み

感銘を受けたので

切り抜いたのだと思います。

(記事の一部を抜粋します)

亡くなって間もなく

交友があった人たちの元に

自らの名で死を伝える手紙が

届いた。

「私は十分に生きましたので

明るく参ります。住み慣れた家は

整理を頼んでおりますので誰も

おりません。

本当に、あたたかいおつきあいを

ありがとうございました。

心から御礼申し上げます」

と結ばれていた。

文面は送り先の住所録と共に

生前、甥夫婦に頼んだとの事。

印刷する紙の質も指定していたと

いいます。

66歳で夫と死別してからは

一人暮らし。

失ったものや不安を数えるよりも

出来ることを大切にし、今も発見が

多いのだ、とゆったりと柔らかな笑みを

絶やさずに語っていた。

「必要な時は人の手を借りるのも

大切。ひとり暮らしだけれども

一人ぼっちではないのです」

90歳以降も毎年エッセー集が

刊行される等、

周囲の支えもあり

100歳まで自宅での暮らしを続けました。

亡くなる前年の10月に入院。

「亡くなる前夜は

ビーフストロガノフのソースを

かけたオムライスや杏仁豆腐

等の夕食をとり就寝。

日付が変わった深夜の巡回で

息を引き取っているのが見つかった。

生前「眠ったまま亡くなりたい」と

話していた通りの終わり方。

遺言で葬儀は行わず、遺体は大学病院に

献体された」

(2019年5月18日の記事より)

記事はそこで終わっていました。

生活評論家として実生活を元に

発信し続け最後の最後まで

明るく粋で洒落っ気のある生き方を

実践されたこと。

「終わりよければ全てよし」

人生こうありたいものです。

その為にも先ずは

自分はどうありたいのか、

生前、自分自身に問うて見る

必要がありそうです。


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