聴くという事が如何に大切で難しいか。

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こんにちは

昨日見えたｋさんと言う年配の女性。

昨年の11月以来という事もあり

レッスンに入る前に近況も含め雑談をしていました。

気がつくと30分ほど経ってしまったので

時間は大丈夫か聞いたところ

大丈夫とのことでした。

そこで久しぶりに発声練習から入りました。

その後

日頃よく使う挨拶言葉を気持ちを込めて

声に出して言う練習をしました。

人間関係をよくする為の一つとして

褒め言葉を上手に使っているか等

話をしていきました。

良いところを書くことはできても

それを言葉にしていなかったという

気づきがあったようです。

一通りのレッスンが終わり

時間があるとの事で

少し雑談をして帰られました。

夜、その方からラインが入りました。

見ると

「今朝は辛すぎて暗い気持ちでいたのですが

いろいろと話を伺っていくうちに身も心も

どんどん軽くなって、朝の暗い気持ちが

嘘のようでした。

心の底から笑えて心の底から話が出来ることが

こんなに幸せなんだと感じた一日でした・・・」

読んでいてびっくりしました。

久しぶりという事もあり笑顔で入ってこられたので

朝、何か嫌な事があったとはわかりませんでした。

近況を話しているうちに少し不満に思う事も

口にされたので共感しながらも

少し角度を変えて話をしてみました。


その後レッスンでしっかり声出しをし

終わってからのお喋りでは

笑いさえ起きていました。

話をしたり聞いてもらう事で

気分がスッキリしたのでしょう。

Kさんのラインに私も嬉しくなりました。



心の中が軽くなれば活力も湧き

自ずと答えを見つけることが出来るものです。

そういえば友人からの年賀状の中に

「また今年も愚痴を聞いてくださいね。

そうでないとストレスの塊になりそうです。

よろしくお願いします」

と言うのがありました。

私から見るとなんの悩みもなさそうで

恵まれていると思うのですが

本人にすればストレスなのでしょう。

それが話す事でモヤモヤしていた心の内が

スッキリすることは確かです。


心が軽くなればゆとりも出て優しくもなれます。

聞くという事がいかに大事な事か。

簡単なようでなかなか難しい事です。

昨年亡くなられた話し方の研究家・金井英之先生は

それは聞き方が上手な方でした。


それだけに多くの方から慕われていました。

殆どの人が自分が話す事に夢中で人の話など

じっくり聞いてはくれません。

聞いても上の空といった感じです。

何故なら人の話を聞くという事は

疲れるからです。

亡くなった母が晩年、父の事で同じ愚痴を

何回も言っていました。

初めのうちは聞いていても

そのうち　”又始まった”と思い

「その話100回聞いた」とか

「同じ話ばかりして」と最後には

険悪な雰囲気になってしまう事がよくありました。



休みの日でも半日母に付き合って

親孝行のつもりでいても最後に同じ愚痴が出ると

台無しになってしまう事がよくありました。

以前、金井先生の奥様が

「主人は母が同じ話をしても初めて聞くように

いつも頷いて聞いていました」

と話されていたことがありました。

そういえば私自身も同じ話をして

後で　”しまった！前にも話した”と気づくことがありました。

そういうときでも興味深く聞いてくださいました。

それは他の誰に対しても同じでした。

先生が亡くなられた後、奥様から

「主人は聴くという事をとても大切に

していました。それをライフワークにしておりました」

確かに私のこれまで出会った中で

「聞き上手」だと思った方は、後にも先にも金井先生が

お一人です。

ただ聞くのではなく心を傾けて聞く

こちらの「聴き方」です。

昔から

「話し上手は聞き上手」

と言う言葉がありますが

矢張り人の話をきちんと聞いてこそ

説得力のある話になるものと

最近つくづく感じています。



私も初心に戻って

今年は聴くことを心掛けていきたいと思います。

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