ショックも楽しさに変わる。

こんにちは。

明日、本番を控えているご婦人が

午後、最後のレッスンに見えました。

学校関係での説明会で父母に対して

お話をされるのですが

このような時期ということもあり

オンラインで流すことに

なりました。

とはいっても

会場には関係者が数名いて

話す人は前に出て一段高いところで

話をするとのことでした。

聞き手がいないということは

楽なようで逆に難しくなります。

Mさんも内容は全部頭に入って

いるのですが

やや固い感じです。

声も少し気取って聞こえます。

私と雑談している時の笑顔で

肩の力を抜いて話すように伝えました。

するとやわらかさが出て

語りかける調子が出てきました。

いよいよ最後の仕上げに入り

呼び出しから始めました。

Mさんは前に立ちお辞儀をした後

最初の一言

名前を言うときの表情が硬いのです。

「顔が怖い」というと

「怖いですか？」というので

「私と話している時のあの笑顔で」

もう一度呼び出しから行いました。

前に立ちお辞儀をして

顔を上げたところからにこやかな

表情になりました。

すると名前を言うときも笑顔になり

そのあとは自然体で話しに入っていき

最後までゆとりをもって話すことが

できました。

説明や体験談なども含め

全体で7分くらいになりますが

視線の生かし方や手の使い方

抑揚や間の取り方といった音声表現なども

申し分ありませんでした。

「もう　これで大丈夫！

明日、楽しんで話してください」

そう言って終了しました。

お子さんもこの3月に大学を卒業

されます。

一貫校ということもあり

これまで学校関係のことで

なにかと協力されてこられたようです。

3年前、人前で話す機会があり

何とかなるだろうと思って

臨んだものの

これまで経験したことのないほど

あがってしまったそうです。

それがショックでスタジオに

見えたのが始まりでした。

その後も話すことがあると

事前にトレーニングを受けに

来られていました。

今では女性ならではの感性と

表現力を生かした素晴らしい

話し方をされます。

レッスンが終わり帰りがけ

「明日が終わればホッとしますね」

というと

「ええ、でも何か寂しくもあります」

ポツリと一言。

「話すことがこんなに楽しくなるなんて

思ってもみませんでした」

あがったことにショックを受け

初めてスタジオに見えたときには

まさかこんなに話すことが

楽しくなるなど夢にも

思っていなかったのでしょう。

Mさんに限らず

話せるようになるとその達成感は

大きく

周りからの評価も上がり

ますます話したくなるものです。

学校関係のことで話すのは明日が最後。

思い切って話をしてほしいと思います。

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